就活はどのように始められましたか?

もともと文章を書くのが好きで、出版社に入りたいと思っていました。大学の就活生講座で新聞出版コースを受けたりもしていて、書くことや編集することに対する興味がずっと強かったですね。実際に就活が始まると、出版社の他に通販カタログの会社を受けたりもしました。友人がその会社のカタログを見せてくれたのがきっかけだったのですが、最終的にかなり熱を持って取り組み、1万人エントリーしたうちの100人くらいまでは進みました。しかし、あと一歩というところでダメだったんです。それがもう悔しくて、他に選考が進んでいた会社もすべて蹴って、就活を仕切りなおしました。

次に目を向けたのは、広告業界でした。その通販カタログの会社と仕事ができるところはどこか、という軸で考えたときに出てきたのが広告だったんです。そうして探していくうちに出会ったのが、JBAでした。当時は営業職、クリエイター職、ライター職の3つで募集が出ていて、「ここでライターができるじゃん!」という気持ちで応募しましたね。

JBAの選考で印象に残っているエピソードはありますか?

当時、社員と学生数人が飲食しながら話す面接があったんですけど、色々なことを包み隠さず話してくれてすごくおもしろかったです。特に、部長のインパクトがかなり強かったですね。多くの企業を受ける中で、企業説明会の1コーナーに出た社員のことをずっと記憶しているなんてなかったのですが、その部長だけは「この人、説明会のときの人だ」ってすぐわかったんです。語る言葉に誰よりも熱があって、学生に対して本音で接してくれていることが伝わってくる方でした。

最終的に、「こういうオープンでおもしろい人たちと働いてみたい」と思ったのが、JBAへの思いを固める決め手となりました。最初の入り口は、「色々な媒体を作れる」、「ライターができる」、などの事業面に魅力を感じたところからでしたが、選考が進むにつれてどんどんJBAという会社の雰囲気にも惹かれていったんですね。

実際に入社されてみて、どんな仕事をされましたか?

入社後は、その部長が教育担当についてくれました。部長のもとで働けるというのは嬉しかったのですが、研修プログラムには営業職の内容も含まれていました。「ライター志望なのになぁ…」と思いながらも、部長には人を巻き込む強いパワーのようなものがあって、教わるうちに不思議と「営業もやってみたい」という気持ちになったんですね。そんなこんなで研修も終わり、当時主流だった電話でのアポイントメント取りがスタートしました。そして何とかアポが取れたお客様への初訪問を部長に報告すると、「申し訳ない。その日、急な予定が入ったので1人で行ってきてくれないか。」と言われて。まさか、と思いましたね(笑)。結局本当に1人で行くことになったんですけども(笑)。

最初の訪問をおひとりでですか?それはびっくりです。

もちろん訪問に行くまでに、部長とたくさん練習はしましたが、実際にやってみると15分くらいで話が終わりそうになってしまいました。「あーもう途切れちゃう…」と思いつつ、部長に課されたミッションは必ずやって帰らないとと、タイミングをうかがっていました。そのミッションというのが、今までの自分の歴史とJBAとのつながりを語ることだったんです。そして最後にお時間をいただいて、自作ノートを広げたんですね。そうして話し出してみると、それまで硬かったお客様と急に打ち解け始めたんです。なんとそこから2時間半くらい話が続いて。さらに、その流れで採用活動についてのご相談までいただき、JBAから採用広告を提案できる機会をいただきました。

なんとか初めての訪問が終わって抱いたのが、「営業も悪いもんではないな」という感想でした。それまで、営業になんとなく苦手イメージを持っていました。しかし、お客様の困りごとを人対人の関わりの中でお聞きできる、そしてご相談に乗りながら、その困りごとを解決する機会をいただける、そんな仕事だと気づいたんですね。もともと、人の話を聞いたり相談に乗ったりすることが多かったので、適性にマッチしていたんだと思います。

ではライター志望で入社したものの、実際にはライターはされていないということですか?

いえ、そういうわけではありません。ここがJBAのおもしろいところで、自分の職種の枠組みは自分で決めれるというか。例えば営業からカメラマンになった方もいるくらいで、そのあたりの考え方がかなり柔軟な会社だと思います。JBAには、ライター一本でお客様から指名をいただくようなレベルの高い仕事をしている方もいます。しかし、私の場合は、現在コンサルタントという営業的な仕事をしながら、ライターの仕事もするという働き方をすることにしました。

例えば、入社後営業職になったとお話ししましたが、自分の次の代の新卒採用サイト用のキャッチコピーをつくる仕事もしました。これは、同期全員で協力して新卒採用サイトを作るという仕事だったのですが、もともとライター志望だったので、自分から手を挙げてキャッチコピー係になったんです。100本作ったコピーを社内のコピーライターさんにチェックしてもらい、最終的に3本くらいしか残らなかった記憶があります。2年目には、お客様企業の広報誌の制作をするようになり、営業やディレクションをしながら、自分で取材して原稿を書くという体験を何度かしましたね。

そうして経験を積むにごとに、書くということがどういうことなのか、少しずつ分かっていくようでした。誰が読んでも分かるように書くこと、会社ごとの文化、風土に合わせて書くこと、読者が誰であるかによって伝わり方に配慮して書くこと、そういった、JBAでライターをする上での基本となる視点を、ライターさんのチェックを受けながら学んでいったんですね。

当時の営業職は、今で言うとコンサルタントになると思いますが、コンサルタントをやってい たからこそ、ライターとしてこんな仕事ができた、というエピソードがあれば教えていただきた いです。

初めてその経験が活きたと思ったのは、機械部品メーカーのB社さまを担当させていただいた2年目のことです。当時、団塊世代の方々がごそっと定年退職してしまうような時期で、B社さまにとって「それまで属人的だった技術をどう継承していくか」という点が課題になっていました。そこで、社員向けの広報誌のなかに技術伝承をテーマにした特集を組むことになり、私が企画から担当させていただくことになりました。取材自体はお客さまがしてきてくださって、それをもとに私が執筆するという流れでしたが、それまでコンサルタントとしてお客さまの企業理解に努めてきたことと、企画段階からその目的や意図をしっかり掴んで携わってきたことで、取材音源のどこがポイントなのかがかぱっと分かるんですね。特に熟練の方々を取り上げるページでは、それぞれの内容をうまい具合にばらけさせつつ、大切な所はしっかりと掴む、というのが我ながらうまくできたなと感じました。

そうして10ページを超える大企画が完成し、お客さまにお見せしたところ、すごく褒めていただきました。あれは達成感がありましたね。最初の企画段階から入ると、何が聞きたいか、どういう言葉が必要なのかが自分の中で明確ですし、最終アウトプットにより責任が持てると感じました。逆に言えば、ライターさんと分業をするときは、双方の刷り合わせがいかに重要になってくるか、ということも学べだと思います。

ライターとして、お客さまからの嬉しかったお言葉などはありますか?

ライターには「聞く」と「書く」の側面があると思っています。まず「書く」に関して言うと、「これうちの教科書にしたいね」と言われたときですかね。今もずっとお付き合いさせていただいている製薬会社C社さまとのお仕事で、社内向けのパンフレットを作成したときのことです。研究職についての記事を私が執筆させていただいたんですが、すごく分かりやすいと部長さんにお褒めいただき、この言葉をかけていただきました。

お客さまと仕事をしていて感じるのが、お客さまにとっては当たり前なことが第3者から見るとすごく魅力的にみえる瞬間があるということです。お客さまは、自分の会社のことだから、製品や事業のことを既に分かりきってしまっていて、「実はここすごいのに!」というポイントを見落とされがちなんです。C社さまとのエピソードは、コンサルタントとしてお客さまのことを深く理解し、かつライターとして第3者としての目線で書く。それができた結果の成果だったと思います。

さらに、取材のときには、このいい距離感だからこそできる質問があったりもします。これは「聞く」に関する側面ですが、例えば少し突っ込んだような質問だと、社内の人同士では聞きづらいですよね。それを私みたいな立場から聞くと、「それなかなか聞けないですね」とお褒めいただけるんです。お客さまを理解しているからこそ、その質問が出てくるわけですし、社外の人間だからこそ切り込んでいける。そうしていい取材ができると、やりがいを感じます。

ご自身なりの働き方を確立されているんですね。最後にこの記事を読まれた方にメッセージをお願いできますか。

JBAのライターは、「聞く」と「書く」はもちろん、本人が望めばもっと広い仕事ができるようになります。今後、どこかの会社に就職して働いていく中で、自分の職種を広げたいとか、キャリアチェンジしたいというタイミングが来るかもしれません。そんなときに、今いる会社ではできないんだったら、転職という方向にいきますよね。そういう意味でJBAは、ある種の社内転職ができる会社だと思っています。

私も、「文章を書くこと」と「人の話を聞いて悩み相談に乗ること」の2つの好き、得意を活かしながら働くことができています。それは、ライターだけにとどまらない経験を重ねてきたからできたことですし、JBAだからできたことです。特にライターとしてのスキルは、全ての仕事に生きる能力だと思うので、皆さんも柔軟な気持ちで挑戦してみてほしいです。

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